魔法科高校の劣等生の簡単なあらすじ!物語のキーポイントも併せてご紹介
「魔法科高校の劣等生」は、電撃文庫で連載されていたライトノベルが原作となっています。
2008年から連載され、2020年に高校生編が堂々完結しました。
2020年12月時点で累計発行部数1200万部、「魔法科高校の劣等生」シリーズ全体の累計発行部数は2000万部を突破している、超人気シリーズです。
また、現在放送している「魔法科高校の優等生」は、「魔法科高校の劣等生」の主人公である司波達也の妹・司波深雪が主人公の物語となっています。
2021年7月には刊行10周年記念として、完全新作アニメーションPVが発表されたこともあり、今後も様々な企画が期待されています。
今回はそんな、ますます勢いの止まらない「魔法科高校の劣等生」のあらすじやキーワードをまとめていきます。
【「魔法科高校の劣等生」の物語】
原作の刊行10周年を迎え、現在放送中の「魔法科高校の優等生」の大本でもある「魔法科高校の劣等生」。
「魔法科高校の劣等生」は超能力が解明された世界での未来を描くSF寄りのファンタジー作品です。
原作である「魔法科高校の劣等生」は完結しましたが、現在もスピンオフ作品が展開されている人気作品です。
▼あらすじはこんな感じ▼
「魔法科高校の劣等生」の世界では、21世紀初頭に魔法(あるいは超能力)はおとぎ話から現実の技術として確立されています。
そして2030年前後に、急激な寒冷化に伴い世界の食糧事情は悪化し、エネルギー資源をめぐる争いが頻発していました。
その後2045年には、20年におよぶ第三次世界大戦が勃発し、世界の人口は30億人まで激減してしまいます。
その第三次世界大戦では、魔法技能を持つ人間「魔法師」の世界的団結によって、核兵器を使った熱核戦争になりませんでした。
第三次世界大戦終息後の21世紀末、各国は自国の防衛のために魔法師の育成にこぞって取り組んでいる状況です。
主人公の「司波達也」もその魔法師の一人ですが、彼の場合は元々魔法の才能がなく、6歳の時に人工的に魔法師を作りだす「人造魔法師実験」を受けていました。
そして、「人造魔法師実験」の唯一の成功者であり、妹である「司波深雪」を守る為の存在「ガーディアン」として育てられました。
「ガーディアン」として育てられている間は、様々な訓練を受けており、戦場へ駆り出されるのもしばしばありました。
達也が戦場で戦う姿をモニターで見守る深雪は、「私は、お兄様にどう報いればいいのだろうか、なにをお返しできるのだろうか、今の私は、この命すらお兄様から頂いたものだというのに」という意味深な発言をします。
そして、時は流れ3年後。
そこでは、主人公である司波達也とその妹である司波深雪が、魔法の才能を認められたエリートの通う「国立魔法大学付属第一高校」へ入学するところから始まります。
深雪は学力や体術で優れている兄が補欠合格であることに納得できず、怒りのままに達也に思っていることを言ってしまい、深雪が行う予定だった答辞を断ろうとしますが、達也に厳しい顔で諫められてしまいます。
深雪が謝ると、達也は優しい笑顔で深雪の頭を撫でフォローし、兄妹とは思えないような甘い会話のあと、深雪に「答辞を辞退せず、自分にその晴れ姿を見せてほしい」と語りかけます。
ようやく納得した深雪を見送ると、達也は時間つぶしのために校舎を周ります。
通りすがりの女子生徒2人が達也を見て「あの子ウイードじゃない?」「補欠なのに張り切っちゃって」と話ながら通り過ぎていきます。
そこにちょうど生徒会長である「七草真由美」が達也に声をかけ、達也の名前を聞いた真由美が「そう、あなたが…」と言いかけたところで、入学式のリハーサルの為に真由美を探しにきた生徒により、会話は終了してしまいました。
入学式では前半分の座席に一科生、後ろ半分の座席に二科生が座っていました。
この学校での一科生は「ブルーム」と呼ばれる所謂エリートクラスであり、それ以外のクラスである二科生は「ウィード」と蔑称されており、達也は差別意識を感じつつ後ろの方の席に座りました。
入学式の開始を待っているところで、「柴田美月」と「千葉エリカ」に声を掛けられ、達也は美月の眼鏡とエリカの苗字に引っ掛かりを覚えつつも無事入学式を終えます。
入学式終了後、エリカたちにホームルームを覗かないかと誘われますが、達也は妹と待ち合わせていることを理由に断りました。
すると美月に深雪と「オーラが似ている」と指摘され、達也はこれ以上自分のオーラを見られることで自身の「秘密」がばれることを警戒します。
合流した深雪にクラスメイトの美月・エリカを紹介していると、生徒会のメンバーを連れた七草真由美が「また詳しい話は後日」と深雪の生徒会への勧誘と、達也にも興味があることを匂わせ立ち去ります。
その後自宅に帰りくつろいでいましたが、深雪に両親から入学祝いの電話があり、達也には何もなかったことを知った深雪は怒りで氷魔法を発動させてしまいます。
達也は「怒る気にもならないよ」と深雪をなだめ、深雪も達也がそう言うのであればと心を落ち着かせ魔法の発動は止みました。
後日、達也と深雪は魔法を駆使しながらお寺へと向かいます。
お寺へ到着すると、修行僧たちが達也に木刀などの武器ありで手合わせを仕掛けますが、達也は全て返討にしてしまいます。
手合わせをしている間、寺の住職であり「忍者」である九重八雲が制服姿の萌えについて怪しい手つきをしながら深雪詰め寄ったところで、深雪が困っていることを察した達也が八雲に手合わせを仕掛けました。
「体術だけなら達也くんにはかなわないかもしれない」と言いつつも達也からの攻撃を魔法を使いつつ捌ききり、全力で手合わせを行います。
深雪は達也を心配しつつ、魔法を使用して全身土で汚れてしまった達也を綺麗にしてあげました。
場所はかわり、学校でキーボードをすごい速度で打ち込み、カリキュラムの確認などをしている達也に、「西城レオンハルト」が「今時キーボードを使うのは珍しい」と話しかけます。
レオンハルトは自分の名前と得意な魔法を伝え、「レオでいい」と言って達也にも得意魔法を聞きますが、達也は「実技は苦手で、魔工技師を目指している」と返答します。
エリカが達也の将来について驚いていたところ、レオがエリカに対して余計な事を言ってしまい、言い合いになったところで予鈴が鳴ります。
そして、教師がやってこないはずの二科の教室になぜか教師があらわれ、クラスがざわつきました。
場面が変わり、達也が食堂で美月たちと昼食を食べていたところに深雪が同席しようとすると、深雪のクラスメイトが「ウィードと相席なんてやめるべきだ」と口を出されてしまいます。
事を荒立てないように達也が席を立ち去ろうとし、一緒にレオ達も後を追いました。
放課後、達也と帰りたい深雪を引き止めようとする一科のメンバーと、深雪の気持ちを優先させるべきというエリカ達は喧嘩になってしまいます。
一科の1人が「ウィードごときがブルームに口出しするな!」と言ったことから、一瞬触発の空気になってしまいます。
美月が「あなたたちブルームが、一体今の時点でどれだけ優れているというのですか」と言い返したことにより、更に自体は悪化してしまいました。
それならばどれだけ自分たちが優れているか教えてやる、と一人の一科生徒が魔法を発動しようと魔道具を取り出したところで、エリカが警棒で一科生徒の魔道具を叩き落とします。
二科にやり返されたことで他の一科メンバーが逆上し、次々と魔法を発動しようとします。
それを見た一科の女生徒が慌てて魔法を発動しようとして、深雪が止めようとしますが、達也が「大丈夫だ」と逆に深雪を抑止しました。
次の瞬間、女生徒の発動しようとしていた魔法にどこかから飛んできた魔法がぶつかり、魔法は不発となります。
魔法発動を妨害したのは生徒会長の七草真由美でした。
「自衛目的以外での魔法による対人攻撃は犯罪行為」と告げ、一緒に来ていた風紀委員長が事情を聴くからついてくるようにと言いました。
しかし、達也が最初に魔法を使用しようとした男子生徒の魔法を「見せてもらうつもらうだけのつもりが、悪ふざけがすぎた」と弁明します。
そして女生徒の魔法が攻撃魔法はどう説明するのか、と問われればそちらも「ただの閃光魔法」と発動前の魔法について話します。
展開された魔法の起動式を読むことができることを指摘されますが、達也は「実技は苦手ですが、分析は得意です」と返し、自分はただの二科生であると腕に紋章がないことを示します。
入学の時点から優等生と劣等生が存在するこの「国立魔法大学付属第一高校」で劣等生の烙印を押されている達也と、優等生と称される深雪。
この兄妹の魔法科高校生活がここから始まります。
▼要約すると
魔法が現実にある世界で、魔法師を育成する「魔法科高校」に劣等生の兄と優等生の妹が入学したところから始まる兄妹の物語
です。
主人公はタイトルにあるように「魔法科高校」で劣等生として扱われるところから始まるストーリーです。
通常の魔法ファンタジー作品と違い、しっかりとしたSF要素が含まれていることとそれに対する設定が非常に細かい所が特徴となっています。
成り上がりという点では「小説家になろう」発の作品の原点に近いかもしれません。
戦闘シーンも魔法に限らず、バリエーション豊かなのも面白いですね。
魔法の概念や単語が特殊なものも多いため、これから視聴を始める人のための「魔法科高校の劣等生」のキーワードやポイントをご紹介します。
【「魔法科高校の劣等生」のキーポイント】
【魔法技能師】
「魔法科高校の劣等生」の作中では、短く「魔法師」と呼ばれることも多いです。
また、「魔法師」は実用レベルで魔法を使うことができる存在の総称で、使用できる魔法の種類は現代・古式問いません。
魔法技能は遺伝によるものと解明されており、魔法素質のある者同士で交配を重ねることによって強力な「魔法師」を意図的に生み出されました。
その歴史の中では、遺伝子操作による「人工的な魔法師(調整体魔法師)」の開発も行われましたが、そうして生み出された「魔法師」は精神を病み亡くなることが多かったようです。
優秀な「魔法師」を生み出すために国際結婚が推奨されていた時代があったこともあり、達也たちの世代にもハーフやクウォータが多いようです。
魔法師は国の所持する兵器として扱われ、特に軍に所属する「魔法師」は1人で非魔法師兵の200人相当の戦力になるといわれています。
その戦闘力から「魔法師」は人権が制限されており、国に不利益をもたらすような行動をした場合は処分の対象となります。
【魔法工学技師】
主人公である司波達也が作中で目指すと言っていた役職です。
「魔法科高校の劣等生」の作中では、短く「魔工師」や「魔工技師」と呼ばれることも多いです。
「魔法師」の中でも、CADなどの作成や調整を行なうエンジニアのことです。
あまり目立つではありませんが、CADを普段から使用する魔法技能師には欠かせない存在であり、一流の魔法工学師は一流の魔法技能師より地位が高くなることもあります。
【国立魔法大学付属第一高等学校】
達也たちの通う国立魔法大学付属第一高等学校は、国力の増強のために設立された「魔法師を育成する学校」です。
魔法の才能を認められた人の中でも、特に能力が優れていなければ入学できないとされるエリート校です。
一学年の生徒数は200人となっていますが、途中で魔法力を失って退学する生徒も一定数いるので、全員が進級や卒業できるわけではないようです。
それでも毎年卒業者の65%が国立魔法大学に進学しているため、大変優秀な学校であることは変わりありません。
元々は魔法力でのみ成績を決定していましたが、2096年度からは単純な魔法力だけではなく「魔法師」にとって重要な「魔法技術者」の育成のために魔工科が新設されました。
【魔法科学校】
魔法科高校は達也の通う第一高校を含め、全国に9校あります。
魔法技能師を育てる国の施策として作られた学校であり、学校間での交流も行事もありますが、国の機関の一部という位置づけのためか外部にも公開されています。
第一高校から第三高校がエリート校と呼ばれていますが、他の高校は特色のある校風や環境によって特性を持たせていることもあり、単純な優劣は付けられない状態のようです。
また、学校によっては二科制度をとっていないところもあり、その場合の定員は二科を設けている学校の半数となっています。
二科がない学校では全生徒に指導教師が付きますが、二科制度をとっている学校よりも教師の質は低い傾向があります。
【一科と二科】
国立魔法大学付属第一高等学校では、ある一定の基準を満たした優秀な成績を持っている一科生と、それ以外の二科生に分かれています。
実践魔法上位100名が一科、下位100名が二科として扱われます。
これらは基本的にカリキュラムや使用できる設備を含め、ほとんど差はありません。
しかし、一科は実践魔法を指導するために教師からの個別指導がありますが、実践を教えられる教師が不足していることから二科は教師不在でオンライン授業を受けることになっています。
一科は制服にエンブレムがついており、それが花の形をしていることから一科は「ブルーム(花冠)」二科にはエンブレムがついていないことから「花の咲いていないウィード(雑草)」という蔑称がついています。
実際に差があるのは制服のエンブレム・教師の有無だけのようです。
学内では「ウィード」という言葉は差別用語として使用した場合は生徒会からの処罰対象となっていますが、差別はなくならずに対立関係ができあがっています。
学力や体術などが成績優秀だとしても、魔法力が成績の基準となっているため、達也は一科になれませんでした。
【生徒会】
達也たちが入学した時点では、生徒会には二科生は入ることができず、一科生の特権のようになっていました。
しかし生徒会長の七草真由美の働きにより、二科生も生徒会へ入れるように変わり、エンブレムと教師以外での差はなくなりました。
【魔法について】
「魔法科高校の劣等生」ではほとんど詠唱が行われず、機械や武器を通して魔法を展開されています。
「魔法科高校の劣等生」で描かれる魔法は、実際は魔法ではなく、高度に発展した科学であり、超能力の延長です。
魔法を発動するのに必要な要素は様々ですが、その中で欠かせないのが「魔法師(魔法技能師)」「魔法式」です。
元が超能力であった為、魔法式を挟むことで「魔法」という形で様々な事象を引き起こすことができるようになります。
【CAD】
「魔法科高校の劣等生」によく登場する「CAD」とは魔法を起動するための補助器具で、「デバイス」とも呼ばれます。
魔法を発動するために必要な魔方陣などをデータとして登録しています。
複雑な魔法を使うには、魔方陣や呪文に時間がかかるため、それらにかかる時間を短縮するために使用されています。
また、腕輪などの形をしているものや、武器と一体化しているものもあります。
いろいろな魔法を登録できる汎用型と、登録できる魔法が少ない代わりに、起動速度を重視したものが存在しています。
【古式魔法】
遺伝子から要素の決まる、超能力の延長である現代魔法と違い、本物の魔法です。
現代魔法以前から存在する忍術や陰陽術、精霊魔法が古式魔法にあたります。
補助デバイスは使用しないため、対面での「魔法師」同士の戦闘では発動速度においてやや不利になりますが、派手な魔法式が発動しないこともあり奇襲や隠密の面では古式魔法が有利となります。
主人公・達也の師匠が古式魔法(忍術)の使い手です。
【司波達也兄妹の家族】
両親は深雪に対して期待を寄せているようですが、達也に対してはあまり関心がないようです。
これは達也たちの家系が、日本の魔法師家系の中でも最も実力のある「四葉家」であることが関係しています。
深雪は四葉家の中でも高い魔法力を持っていることから次期当主候補として優遇されており、反対に達也は生まれたときから魔法力が低く、使用できる魔法も限りがあったために冷遇されています。
また、実の母は死去しており、父親は愛人だった「小百合」という女性と再婚しています。
深雪が現在の両親を嫌っているのは達也に対する無関心さもありますが、実母の死後から半年経たずに元愛人と結婚したことも関係しています。
【深雪と達也が使用する魔法】
遺伝が重要になる魔法の資質ですが、親から全く同じ得意属性を受け継ぐわけではありません。
「魔法学校の劣等生」の中でも活躍する達也と深雪もそれぞれ別の属性を持っており、作中で使用します。
ここでは2人の持つ魔法について説明します。
司波達也
劣等生として評価されている達也の使用できる魔法は「分解」と「再構築」のみです。
この二つは厳密には魔法ではなく、先天性のスキル(超能力)であり、通常の魔法のような汎用性はありません。
魔法力が低いとされていますが、「分解」「再構築」は現代魔法にすると最高峰の難易度のものとなり、戦闘魔法としては超一級品です。
「分解」は文字通り、物体やデータを構成要素の最小単位まで分解してしまう能力です。
質量のあるものを分解する際に発生するエネルギーで爆発を起こすこともでき、これはアニメ1話の冒頭で使用していました。
「再構築」は再生能力でもあり、死人を生き返らせたりなどは無理ですが、怪我などに対して24時間以内であれば完璧に直すことができます。
ただし、「再構築」する対象の構成データを傷のない状態までさかのぼって読み込まなくてはいけないため、痛覚のある対象に「再構築」をかける際には達也も同じ痛みを感じることになります。
この「再生」は生き物だけではなく無機物に対しても発動は可能となっています。
司波深雪
優等生とされている深雪は、圧倒的な攻撃魔法の使い手でもあります。
得意属性は振動系魔法(氷属性の魔法)で、空間に対する干渉が得意です。
怒りなどで感情が不安定になると周囲を凍らせてしまっているのも、この魔法です。
ただし、深雪が本来得意な魔法は「コキュートス」という精神干渉・相手の精神を凍結させるというもので、氷属性の魔法は「コキュートス」が形を変えて発現しているものとなっています。
元々の魔法力が高いため、他にもほぼ万能に魔法を使いこなすことができます。
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以上、「魔法科高校の劣等生」の簡単なあらすじとキーワードについてご紹介しました。
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