悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)の過去【鬼滅の刃】!子供にも厳しくなった悲しい理由
週刊少年漫画で現在連載されている『鬼滅の刃』は、大正時代を舞台にした和風剣戟譚で、今年にはアニメも放送されて大人気を博し話題になりました。
主人公である炭治郎が家族を殺した「鬼」と呼ばれる存在と戦い、また鬼にされた妹を人間に戻そうと奮闘する物語です。
主人公は物語の中で、「鬼殺隊」という鬼と対抗するための組織に属します。
その鬼殺隊の中でも最高戦力に値するのが「柱」と呼ばれる面々です。
「柱」はいずれも一癖もふたくせもありそうな外見、また強力な戦闘力を有し、鬼殺隊の要になる存在です。
その中でもとりわけ巨漢として目立つのが、岩柱と呼ばれる悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)です。
今回はこの悲鳴嶼行冥についてご紹介していきます。
【悲鳴嶼行冥の過去】
©吾峠呼世晴/集英社
鬼滅の刃 6巻より引用
悲鳴嶼は先述の通り筋骨隆々とした巨漢で、また盲目の鬼殺隊士です。
彼の日輪刀は、「刀」といっても、その形状が鎖付きのハンマーのようになっていて、圧倒的な力でそれをふるい、鬼と戦うようです。
常に周囲のことを悲しみ涙を流しながら念仏を唱えているため、一見慈悲の深い人柄に見えます。
しかし鬼となった妹を連れた炭治郎に対し「早く殺して解き放ってあげよう」と発言するなど、その「慈悲」は一方的で独善的なものと見受けられます。
その外見や言動の異様さから、同じ柱である宇髄からも「得体のしれない奴」と評されています。
悲鳴嶼は鬼だけでなく『子供』に対しても、「平気で残酷なことをする我欲の塊」と非常に厳しい見方をしています。
炭治郎と妹・禰豆子への対応も、その考え方から来るものでしょう。
しかし、そういった言動や考えには悲鳴嶼の過去が深くかかわっているようです。
彼の悲観的な考え方の原因には何があったのでしょうか。
【家族のように】
©吾峠呼世晴/集英社
鬼滅の刃 16巻より引用
彼は鬼殺隊に入る前、もともと寺に住んでいる身でした。
慈悲を語るのはこのころの経験により身についたものなのでしょう。
彼は自身の住む寺で、身寄りのない子供たちを集めて育てていました。
食卓も共に囲み、楽しそうにしている様子が描かれています。
血のつながりはなくとも家族のように暮らしていました。
とても暖かいひと時だったでしょう。
しかし、悲劇は突然起こります。
【寺と孤児】
古くは奈良時代には、「悲田院」という現在の孤児院の元祖というような、身寄りのない子供のための施設がもうけられ、鎌倉時代には全国に普及しました。
それ以外の一般寺院においても戦災孤児や被災した孤児を救済するのが、重要な責務とされていました。
また貧しさから寺に預けたり捨てて行ったりする親も多く、寺に育てられながらお坊さんになるというような人も昭和初期までいたようです。
【鬼の襲来】
©吾峠呼世晴/集英社
鬼滅の刃 16巻より引用
「ある夜、言いつけを守らず日が暮れても寺に戻らなかった子供が鬼と遭遇し――」
悲鳴嶼の口から悲惨な過去が語られます。
本来なら鬼と遭遇したなら、大人でさえも手も足も出ず、食料にされて終わります。
しかし、悲鳴嶼が話した鬼と遭遇した子供は、食べられてしまったわけではありませんでした。
その子供はなんと、自分が助かるために悲鳴嶼と寺にいるほかの子供たちを差し出す取引をしていました。
恐ろしい話です。
悲鳴嶼の住んでいた地域では鬼の伝承があったため、普段は寺では寝る前に鬼が嫌う藤の花の香炉を焚いていました。
しかし、鬼と遭遇した子供はその香炉を消し、寺の戸をあけ鬼を中に招き入れました。
盲目の悲鳴嶼と寺にいる子供たちを鬼が襲います。
はじめに4人の子供が殺されたことで、現場は阿鼻叫喚となります。
残った3人の子供たちはパニックになっていたせいか、悲鳴嶼の言葉に従わず勝手に寺から逃げ出してしまいます。
「芽も見えぬような大人は何の役に立たないというあの子たちなりの判断だったのだろう」
そう語る悲鳴嶼の言葉には、信頼されなかった哀しさがうかがえます。
結局、子供たちは逃げた先で鬼によりこの世を去ってしまいます。
【藤の花】
現実では「藤の花」を鬼が嫌うという伝承は見つからないため、どうやら原作者の吾峠呼世晴先生の独創といえそうです。
現実で鬼払いとして知られているものには、桃、柳、菖蒲などがあります。
ちなみに「日の出」は鬼が苦手とするものとして現実にも通説があります。
事実としては、藤には中毒を起こしやすい毒性成分があります。
なので原作では藤の花を取り上げたのでしょうね。
ちなみに柱の一人・しのぶも藤の花の毒を鬼討滅に対し使用しています。
【少女の証言】
©吾峠呼世晴/集英社
鬼滅の刃 16巻より引用
地獄の中、悲鳴嶼の言葉に唯一従っていたのは子供たちの一番幼い少女・沙代でした。
当時の悲鳴嶼は、現在のような体のようにたくましくはなく、むしろ非力な部類でした。
しかし、それでも沙代を守ろうと奮闘します。
夜が明けるまで、負傷しながらでも鬼の頭をたたきつぶしていきました。
この時、悲鳴嶼は自分の中に眠る恐るべき力を初めて自覚しました。
こうして沙代だけは守りきり、夜が明けるころには人々が駆けつけてきました。
沙代は恐怖におびえながら、人々にこう言いました。
「あの人は化け物。みんなあの人が、みんな殺した」
鬼の死体は陽の光を浴びたことで塵になっていたため、誰も悲鳴嶼の弁明を信じることはありませんでした。
彼は守った少女の言葉によって、死刑囚となってしまいました。
そこへ、鬼殺隊のお館様である産屋敷が現れます。
悲鳴嶼は産屋敷から鬼殺隊に誘われるとともに、死刑囚としての立場からも解放されました。
そして鬼殺隊へ入隊し、彼の類まれなる怪力のおかげか、いつしか「柱」となっていきました。
家族のように助け合って暮らしていた子供たち。
しかし、彼らは非常時に悲鳴嶼への信頼のなさをうかがわせ、また窮地に落ちるような証言をしてしまいました。
年齢を考えれば致し方ないかもしれません。
しかし、悲鳴嶼が人に対する疑念の目を持つようになること、また悲観した考えを持つには十分だったといえるでしょう。
【沙代】
悲鳴嶼が死刑にされる元となった沙代の証言。
子供の死体だけが散乱する中だったため、『あの人』とは悲鳴嶼のこととして人々は受け取っていました。
しかし、沙代はもともと鬼のことを『あの人』として指しており、ショックのためまともに話せなかったことで人々は誤解してしまっただけのようです。
沙代は不本意にも悲鳴嶼に無実の罪を着せる形になってしまったことを現在でも悔いており誤りたいと思っているようです。
やるせない話です。
【獪岳】
ちなみに、悲鳴嶼の回想の絵を見て、鬼を寺に招き入れた子供は首飾りをしていることがわかります。
この首飾りに見覚えのあった読者もいたのではないでしょうか。
その子供は、なんと善逸の回想の中で桃を粗末にしていた善逸の兄でした。
©吾峠呼世晴/集英社
鬼滅の刃 4巻より引用
師である慈悟郎には敬意を払いますが、要領の悪い善逸を蔑み嫌っていた兄弟子。
彼は慈悟郎の下につく前に、悲鳴嶼の寺にいたようでした。
鬼を招き入れた夜、彼は悲鳴嶼の言いつけを破って出歩いていたのではなく、寺の金に手を出したことでほかの子供たちに締め出されていたのでした。
獪岳を追い出した子供たちは、悲鳴嶼が目の見えないことをいいことに、獪岳は寝ていると嘘をついていました。
悲鳴嶼はそれを鬼から取引のあったことを知らされ、初めて気づきます。
こうした嘘も、悲鳴嶼の考え方に影響していたのでしょう。
【獪岳】
獪岳はのちに鬼となって現れます。
しかし、善逸の回想の中で慈悟郎からも「獪岳」と呼ばれていることから、人間の時と名前が変わっていないことがわかります。
ちなみに「獪」という漢字は「悪賢い」という意味。
名は体を表すと言うように、自分の命惜しさに寺の子供たちや悲鳴嶼を差し出した彼にふさわしい名前です。
しかし周囲は何を思ってこんな名前を付けたのでしょうか。
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以上からわかるように、悲鳴嶼の過去には非常に悲しい物語があることがわかりました。
これだと確かにいくら相手が子供でも、いや子供だからこそ厳しい目を向けざるをえなくなるのがわかりますね。
しかし、そんな彼も炭治郎とわかりあえたことで悲しい過去を乗り越えられたようです。
「鬼殺隊最強」と評されるほどの膂力をもつ悲鳴嶼のこれからの活躍に期待したいですね。